夏にかぜをひいたので「夏かぜ」と思っている人も多いと思います。診察中に「冬でも夏かぜはありますよ」というと、ほとんどの人はびっくりされます。「夏かぜ」と、冬に流行るいわゆる「かぜ」とは原因となるウイルスが全く異なり、症状も違います。夏かぜはエンテロウイルスやアデノウイルスが原因となり、突然の発熱とともに、名前が示す通り(エンテロ=腸、アデノ=のど)腹痛・下痢などの消化器症状やのどの痛みを伴うことが多くなります。発疹がでることもあります。夏かぜの原因ウイルスは夏になると活発になるので、夏かぜは夏に流行るんですね。発疹を伴う夏かぜの代表が手足口病であり、のどの痛みを伴う代表がヘルパンギーナです。冬の「かぜ」と違って咳や鼻水がひどくなることはほとんどありません。ちなみに冬の「かぜ」の原因となるのは、コロナウイルス、ライノウイルスなどです。(岡藤隆夫)