7月28日は世界肝炎デーです。これは世界保健機関(WHO)が認めている啓発活動のひとつで、ウイルス性肝炎の予防や治療に関して理解を深めることを目的としています。世界に目を向けてみると、毎年、約60万の人がB型肝炎のために亡くなっています。B型肝炎による死者を減らすために、多くの国では生まれたばかりの赤ちゃんにB型肝炎の予防接種をしています。私も15年前に初めて世界の標準的な予防接種のスケジュールを知り、日本との違いに愕然としました。その頃から、赤ちゃんへのB型肝炎の定期予防接種が始まることを願っていましたが、いまだに実現しません。がんを予防するワクチンとしては、後からでてきた子宮頸がん予防ワクチンが先に定期接種になりました。ワクチン行政も、他の業界と同じように、いろいろと複雑な事情があるようでなかなか前へ進みません。(岡藤隆夫)