最後の天然痘

 人類史上、撲滅することができた病気はひとつだけです。それは天然痘であり、1977年、ソマリアで最後の患者さんが報告されてから、天然痘の発生がなかったため、世界保健機関は1980年に世界根絶宣言を行いました。この偉業はワクチンにより達成され、このことは(私が医師になってからですが)、ワクチンに対して興味を持つきっかけのひとつとなりました。その最後の天然痘患者さん(名前と顔写真は公開されています)が、先月22日に亡くなられました。享年59歳でした。彼は、注射がこわくて天然痘の予防接種を受けなかったということでしたが、幸いにも天然痘は治り、最近の10年間はソマリアでポリオ根絶の仕事に携わっていたようです。(岡藤隆夫)