ヒトメタニューモウイルス

 先週からヒトメタニューモウイルス感染症が増えてきました。あまり聞きなれない名前だと思いますが、新たに出現したウイルスではなく、以前からヒトの間に普遍的にあったウイルスです。2001年にようやくその存在が明らかになりました。感染すると4~6日後に咳・鼻水・熱などの風邪症状がでてきます。通常はゆっくり休むことで1週間ほどで治りますが、悪化すると気管支炎や肺炎を引き起こし、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸、いわゆる呼吸困難となります。特別な治療法はありませんが、細菌感染を合併した場合は抗菌薬が必要になる場合もあります。診断は、インフルエンザと同じように、細い綿棒で鼻の奥の鼻水をとり、迅速診断キットで診断します。ただし、保険が使える条件を満たさないと自費の検査となります。

 ヒトメタニューモウイルス感染症は、毎年春に流行し、3月~6月が流行のピークとなります。1歳~3歳の小児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。呼吸器感染症のうちヒトメタニューモウイルスが原因と考えられるのは、小児では5~10%、大人では2~4%といわれています。何回も感染しますが、年齢が上がるにつれて免疫がつき、症状が軽くなっていきます。乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。(岡藤隆夫)